これは是非とも解析しなければ!と思える配列に、久しぶりに出会いました。飛鳥配列の最新版 21C-374 は、
左手の同手シフト(裏)の発生を押さえ、手の移動を伴ったとしても左のアンシフト(表)の使用を増やす。
ことをテーマに据えて、左手側の「D」キー以外の同手シフトを徹底的に減らしたとうたっています。この狙いが正しいかどうかは評価打鍵するより他に方法はありませんが、狙い通りに実装されているかどうかは、計算でも確かめることができます。例によって10万字サンプルで紐解きます。
飛鳥 21C-374




左手側の同手シフトは、DとEを例外として、徹底的に抑え込んでいることがよく分かります。
飛鳥 21C-368




「遠くの無シフトよりも近くの同手シフト」な飛鳥配列の最終版です。
かえであすか




こうやって分解すると、大同小異という言葉が浮かんできますね。
小梅 1.3.3 #c




小梅配列の場合は、「遠いキーほどシフトを減らす」ルールを採用しています。同手シフト・他手シフトともに適用されているのが、グラフからもお分かりいただけるかと。
Nicola




Nicola のメリットは親指シフトを採用したことだけ、と言いたくなるくらいの惨状です。
本日のまとめ。
| 無シフト率 | 同手シフト率 | 他手シフト率 | 小指シフト率 | |
|---|---|---|---|---|
| 飛鳥配列 21C-374 | 52.9% | 20.8% | 25.8% | 0.5% |
| 飛鳥配列 21C-368 | 49.4% | 25.6% | 24.4% | 0.5% |
| 飛鳥配列 21C-341 | 49.6% | 24.6% | 25.2% | 0.5% |
| 飛鳥配列 21C-290 | 48.1% | 26.2% | 25.3% | 0.5% |
飛鳥配列 21C-374 は狙い通りに実装されていることが、よく分かりました。ただし、グラフを眺める限りにおいては、改版の余地がまだあるように思えます。
また、かえであすか配列が「近くの同手シフトよりも遠くの無シフト」ルールを採用するかどうかにも、注目したいところです。
最後になりますが、
ところが、親指シフトでは「全て」でこの「指の力と掌の重さ」の両方で打つことが出来ないのです。
というのは、「逐次シフトの親指シフト」の同手シフトにおいても真だと思います。本来であれば、
- 指の力
- 掌の重さ
- 手首の力や勢い
が渾然一体となって文字キーの打鍵に使われるのに対して、「親指シフトの同手シフト」時は上記の掛かる力が文字キーと親指キーとに分散してしまいます。だから親指シフトで使うキーボードは、打鍵荷重の軽いものが適しているとされるのです。
あるいは今回の飛鳥配列の新ルールで、Tron や「さら配列」のようなアプローチが親指シフトとして成立しうると説明できることに、今さらながら驚いています。



シン蜂蜜小梅配列NE

方向性としてはおおむね正しいと思うのですが、「原理にはピンと来ても、配列にピンと来るところがない」ため、とりあえずは様子見でいこうかと考えています。
また、「かえであすか配列」らしいルールでの折りたたみに成功する気はしないもので、仮に出来たとしても「似ているけど別の名前」を割り振る必要がありそうだと考えています。
そういえば、晩年に配列を作成した森田博士による「M式」は、「同手同時操作」を避けて設計されていましたね……飛鳥がそれに近づいているとすると、左手側の同手同時操作は今後さらに減るのかもしれません。