2009年03月30日

飛鳥配列の最新版 21C-374 を紐解く。(1)

これは是非とも解析しなければ!と思える配列に、久しぶりに出会いました。飛鳥配列の最新版 21C-374 は、

左手の同手シフト(裏)の発生を押さえ、手の移動を伴ったとしても左のアンシフト(表)の使用を増やす。

ことをテーマに据えて、左手側の「D」キー以外の同手シフトを徹底的に減らしたとうたっています。この狙いが正しいかどうかは評価打鍵するより他に方法はありませんが、狙い通りに実装されているかどうかは、計算でも確かめることができます。例によって10万字サンプルで紐解きます。

飛鳥 21C-374

飛鳥 21C-374 キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-374 無シフト キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-374 同手シフト キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-374 他手シフト キー別使用頻度グラフ

左手側の同手シフトは、DとEを例外として、徹底的に抑え込んでいることがよく分かります。

飛鳥 21C-368

飛鳥 21C-368 キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-368 無シフト キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-368 同手シフト キー別使用頻度グラフ飛鳥 21C-368 他手シフト キー別使用頻度グラフ

「遠くの無シフトよりも近くの同手シフト」な飛鳥配列の最終版です。

かえであすか

かえであすか キー別使用頻度グラフかえであすか 無シフト キー別使用頻度グラフかえであすか 同手シフト キー別使用頻度グラフかえであすか 他手シフト キー別使用頻度グラフ

こうやって分解すると、大同小異という言葉が浮かんできますね。

小梅 1.3.3 #c

小梅 1.3.3 #c キー別使用頻度グラフ小梅 1.3.3 #c 無シフト キー別使用頻度グラフ小梅 1.3.3 #c 同手シフト キー別使用頻度グラフ小梅 1.3.3 #c 他手シフト キー別使用頻度グラフ

小梅配列の場合は、「遠いキーほどシフトを減らす」ルールを採用しています。同手シフト・他手シフトともに適用されているのが、グラフからもお分かりいただけるかと。

Nicola

Nicola キー別使用頻度グラフNicola 無シフト キー別使用頻度グラフNicola 同手シフト キー別使用頻度グラフNicola 他手シフト キー別使用頻度グラフ

Nicola のメリットは親指シフトを採用したことだけ、と言いたくなるくらいの惨状です。

本日のまとめ。


無シフト率 同手シフト率 他手シフト率 小指シフト率
飛鳥配列 21C-374 52.9% 20.8% 25.8% 0.5%
飛鳥配列 21C-368 49.4% 25.6% 24.4% 0.5%
飛鳥配列 21C-341 49.6% 24.6% 25.2% 0.5%
飛鳥配列 21C-290 48.1% 26.2% 25.3% 0.5%

飛鳥配列 21C-374 は狙い通りに実装されていることが、よく分かりました。ただし、グラフを眺める限りにおいては、改版の余地がまだあるように思えます。

また、かえであすか配列が「近くの同手シフトよりも遠くの無シフト」ルールを採用するかどうかにも、注目したいところです。

最後になりますが、

ところが、親指シフトでは「全て」でこの「指の力と掌の重さ」の両方で打つことが出来ないのです。

というのは、「逐次シフトの親指シフト」の同手シフトにおいても真だと思います。本来であれば、

  • 指の力
  • 掌の重さ
  • 手首の力や勢い

が渾然一体となって文字キーの打鍵に使われるのに対して、「親指シフトの同手シフト」時は上記の掛かる力が文字キーと親指キーとに分散してしまいます。だから親指シフトで使うキーボードは、打鍵荷重の軽いものが適しているとされるのです。

あるいは今回の飛鳥配列の新ルールで、Tron や「さら配列」のようなアプローチが親指シフトとして成立しうると説明できることに、今さらながら驚いています。

posted by 141F at 02:17| Comment(1) | TrackBack(0) | oyayubi | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 どーもー。
 方向性としてはおおむね正しいと思うのですが、「原理にはピンと来ても、配列にピンと来るところがない」ため、とりあえずは様子見でいこうかと考えています。
 また、「かえであすか配列」らしいルールでの折りたたみに成功する気はしないもので、仮に出来たとしても「似ているけど別の名前」を割り振る必要がありそうだと考えています。

 そういえば、晩年に配列を作成した森田博士による「M式」は、「同手同時操作」を避けて設計されていましたね……飛鳥がそれに近づいているとすると、左手側の同手同時操作は今後さらに減るのかもしれません。
Posted by 相沢かえで at 2009年03月30日 21:55
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