2010年11月07日

デスクトップオーディオ増強計画(6)

かえでさん の疑問に答えてみます。

いまお使いの環境で以下の2状態を試した場合、同一楽曲を再生したときに「聴感上の」差はあるものなのでしょうか。

  • Denon DCD-S10を、DAC部分だけ使い、トランスポーター役は「PC+USBDAC」が負う。
  • Denon DCD-S10を、ふつうのCDプレーヤーとして使う。

デスクトップオーディオ増強計画(5) に示した環境で聞き比べてみました。DCD-S10 の外部入力ボタンの操作一つで、CD 再生と PC オーディオ再生を切り替えられます。foobar2000 の ReplayGain を外すと、CD の再生音量と揃えることができます。

試聴曲

Perfume / Dream Fighter
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
flac
CD-DA
Perfume / Love The World
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
flac
CD-DA
Perfume / The Best Thing
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
flac
CD-DA
Perfume / ポリリズム
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
CD-DA
Perfume / シークレットシークレット
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
CD-DA
Wang Chung / Wake Up Stop Dreaming
MP3 / 128kbps / Joint Stereo
CD-DA
Wang Chung / Wait
MP3 / 128kbps / Joint Stereo
CD-DA
Tool / (-) Ions
MP3 / 128kbps / Joint Stereo
CD-DA
Tool / Third Eye
MP3 / 128kbps / Joint Stereo
CD-DA
David Gilmour / On An Island
MP3 / 192kbps / Joint Stereo
CD-DA

試聴結果

差が分かりません。以上。

考察

差が出るとすれば高域側かなと予想してシンバルや SE のアタックや消え際に注目してみましたが、スピーカーで聴く限りは違いが見付けられません。

報道資料 : パイオニア株式会社 によれば、

一般にマルチビットDACはジッター(揺らぎ)に強く安定感のある音質を実現しやすい反面、高解像度を得にくい特性があります。一方、ノイズシェイピング方式(1ビットDAC等)は高解像度は得やすいものの、ジッターに弱く高周波ノイズの影響を受けやすいという弱点があります。

ということなので、DCD-S10 のマルチビット DAC が清濁併せて呑んでしまったのかもしれません。そもそも CD-DA のトランスポート出力と USB 経由の出力と、どっちがジッタが多いのやら。1 ビット DAC を使ったらどういう結果が得られるのか私も興味ありますが、外部 DAC として動作する 1 ビット DAC を所有していないので、現時点では追試不能です。

蛇足ながら

改めて私の性癖を告白すると、

  • DAC は1ビット型よりもマルチビット型が好き。
  • フォノカートリッジは MC 型よりも MM 系が好き。
  • ヘッドフォンはコンデンサー型よりもダイナミック型が好き。
  • スピーカーは密閉型よりもバスレフ型が好き。

繊細さや解像度よりも骨太さ・力強さを一貫して重視している、と言っていいのでしょうか。

おそらく次が「デスクトップオーディオ増強計画」最終回です。

追記

ヘッドフォンを使っての検証は、NuForce Icon Amp にヘッドフォン出力がないので DCD-S10 から直に聴くしかないのですが、標準プラグ仕様のヘッドフォンを持っていない罠。

関連記事

デスクトップオーディオ増強計画(5)
2010-11-05
デスクトップオーディオ増強計画(4)
2010-11-02
デスクトップオーディオ増強計画(3)
2010-11-01
デスクトップオーディオ増強計画(2)
2010-10-28
デスクトップオーディオ増強計画(1)
2010-10-26
タグ:PC audio
posted by 141F at 17:43| Comment(2) | TrackBack(1) | audio visual | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 テスト頂きありがとうございました。
 USB-DAC単体との差の評価も含めて、とても参考になりました。
 ……というか、(あまりに羨ましくて)ここ1週間は時間があれば、マルチビットDAC機を探し回っていました。
 もっとも、結局は『お小遣いで買える世界じゃない』ことを、三度思い知らされただけでして……うちでの追試は、当分無理ッぽいですorz。

 前の記事と併せて拝見するに、私が「振幅軸精度」とか「時間軸精度」とかいう変な言葉で表現していたものは、もしかすると141Fさんが表現するところの
・S/N 感や分解能(≒振幅軸精度)
・音に生気が宿ったかのように聞こえてくる(≒時間軸精度)
と、ちょうど符合するのかも……と感じました。
 今回の評価で、
・トランスポート(DDC)に差があっても、DACがマルチビットなら有意差がなかった。
・トランスポート(DDC)が同じでも、DACが違うと有意差がある。
となったところには、D/A変換の原理そのものが、大きく関わっていそうですね。
 『もっと上が欲しい』と思ったときには、まず「高精度クロックジェネレータ」よりも「マルチビットDAC機」を優先するほうが、コストパフォーマンスも良いし確実なんだな……という収穫があって、私としてはそこが得られて◎でした。

 年末にソニーのAutoGEQ搭載アンプを買おうとして「アンプ貯金」してるところなのですが、それを切り崩して「中古のDenon DCD-S10」を買ってしまいそうな衝動を抑えるのが、いまはすごく大変です……orz。
Posted by 相沢かえで at 2010年11月14日 21:10
まずは落ち着いてください。マルチビット DAC は何でも解決してしまう魔法の杖ではなく、数多のメーカーから見限られた静的特性に劣る方式であることを忘れてはいけません。

15年以上も前に作られた Denon DCD-S10 の音は、新製品の NuForce Icon uDAC2 と比べて、

・付帯音が乗っている。
・制動が効かない。
・ノイズフロアが高い。

これらが渾然一体となって、スピーカーと耳との間に紗が何枚か挟まったかのような見通しの悪いサウンドになっているため、「S/N感が悪い」「分解能が悪い」と私は表現しました。

「存在感のある音」という表現は、マルチビット DAC のメリットの常套句です。言い古された比喩を使うならば、

・スピーカーの位置からリスニングポイントに座る人に向かって、
・同じ速さ、同じ強さで同じ重さの2種類の「つぶて」を投げつける。
・一つは砂団子(1 bit DAC)
・もう一つは石(マルチビット DAC)

同じ重さの物体を同じ速度で同じ方向に投げたとしたら、ベクトルとしては同じですから数学的にはイコールですが、ぶつけられた人間としては多数の砂粒よりも石一つの方が痛い。だからマルチビット DAC のサウンドは、一音一音にインパクトがある。オカルトと言われても否定できませんが、私にもそのように聞こえるんです。

何はともあれ、マルチビット DAC の音を実際に試聴されることをお勧めします。仙台でもヨドバシや「のだや」だったら、Denon の CD プレーヤーぐらいは試聴できると思いますよ。それで悪くないと感じたなら、次のステップとして、DAC が生きてるジャンク品を狙ってみるとか。Denon の MD のジャンクだったら数千円レベルで済むかも。

ジッターの悪影響については、幸か不幸か私自身は未だかつて実感できた試しがないので、残念ながら何も語ることができません。悪しからず。
Posted by 141F at 2010年11月15日 01:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/168606474
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック

デスクトップオーディオ増強計画(了)
Excerpt: これでやっと終われるの的な♪
Weblog: Weblog 61℃
Tracked: 2010-11-14 22:34