2012年09月21日

蜂蜜マトリックスの打鍵を分解する

中井 悠詞さんからご質問 をいただきました。

「蜂蜜小梅配列 Ver.2.5.3」のキー配列図を見ていて疑問に思ったことがあったので書いてみます。

一応「蜂蜜小梅配列」の関連部分を読みましたが理由が見当たらなかったので。もしかしたら見落としているかもしれませんが。

疑問に思ったこと、それは「なぜ拗音用のキー配列が上段が右シフト用で下段が左シフト用なのだろうか」という点です。

個人的には上段が左シフト用で下段が右シフト用のほうがしっくりくるのです。

蜂蜜マトリックスは、どうして現在のような構成になったのか。本稿はその狙いを説明するとともに、狙い通りに実装されているかを検証します。

小梅配列の配字ルール

まずは礎となった小梅配列の配字ルールから説明します。

  • ホーム段 > 上段 > 下段
  • 中指 > 人差指 > 薬指 > 小指
  • 無シフト > シフト
  • 右手 > 左手
  • 遠いキーほどシフトを減らす
  • カナ > 記号 > 機能文字

一つ一つの項目は、けして奇をてらったものではありません。飛鳥カナ配列のように下段優先ではありませんし、Nicola 配列ほど下段を嫌ってもいません。

蛇足ながら、各配列の上段:ホーム段:下段の比率は、大まかに言えばこんな感じです。

小梅配列/蜂蜜小梅配列
3 : 5 : 2
Nicola 配列
4 : 5 : 1
Tron 配列
3- : 5 : 2+
飛鳥カナ配列
2- : 6 : 2+
新下駄配列
2- : 6 : 2+
qwerty ローマ字
5 : 3 : 2

蜂蜜マトリックスの構成ルール

端的に言えば、小梅配列の配字ルールと矛盾しないようにしています。下段に濁音を置いたのは 2.0.0 版を引きずったせいもありますが、ホーム段 > 上段 > 下段の打鍵頻度を守るためでもありました。左右方向(列)も「え/うゆ/およ/あや/い」と並べたのは、打鍵頻度を中指 > 人差指 > 薬指 > 小指としたかったからです。

ただし正直に言えば、狙い通りに配置されているかを数字で確認していませんでした。いい機会なので、例によって10万字サンプルで検証します。

蜂蜜マトリックス 左手側の打鍵頻度

蜂蜜マトリックスを用いて拗音を入力した場合の、左手側の打鍵頻度を調べました。

上段
き★+ち★+ひ★+み★+り★
251+396+252+16+140=1,055
ホーム段
う★+し★+て★+に★+ふ★
3+833+6+26+40=908
下段
ヴ★+ぎ★+じ★+で★+び★+ぴ★
1+109+420+8+26+10=574

あら、ホーム段よりも上段が多いですね。考えてみれば、出現頻度が比較的高い「ゃゅょ」が絡む拗音について、ホーム段は「し★」と「に★」の2行分しか担っていないのに対して、上段は「き★」「ち★」「ひ★」「み★」「り★」と5行分あるので、まさに塵も積もれば山となっているようです。

しかし、ひときわ多い「し★」の存在は無視できないので、ホーム段と上段の入れ替えはありえません。

さらにキー別に分解します。

Q W E R T QWERT計
3 165 760 127 0 1,055
A S D F G ASDFG計
22 172 403 301 10 908
Z X C V B ZXCVB計
2 115 315 134 8 574
QAZ計 WSX計 EDC計 RFV計 TGB計 マトリックス計
27 452 1,478 562 18 2,537

左手側の辺境キーで

  • Z > Q
  • T > B

というルールを厳密に守ろうとするなら、「え」列と「い」列の担当を入れ替える手もあるでしょう。でも、チェックを重ねれば[Q]の打鍵が、ツィート/リツィートなどの用語を常用すれば[T]の打鍵が増え、ヴィトンやヴェルサーチなどとブランド名を連呼すれば[B]や[Z]が多くなります。辺境のキーほど文章タイプの違いによる頻度の揺れが大きいと言え、是が非でも変更したいというほどの切迫感は覚えません。

全体として狙い通りに実装されており、蜂蜜マトリックスの構成は数値的にも概ね妥当と判断します。

関連記事

10万字サンプルの直拗比率
2012-06-07
ラベル:蜂蜜小梅配列
posted by 141F at 01:28| Comment(4) | TrackBack(0) | oyayubi | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
回答していただき誠にありがとうございました。
この文章は蜂蜜小梅で書いています。まだまだスピードが遅いですが。

やまぶきR用配列定義なのですが、「whe」「who」「whi」の場合ATOKでうまく入力できないようです。

それではこれからもよろしくお願いします。
Posted by 中井悠詞 at 2012年09月23日 06:32
コメントありがとうございます。

私は Vista 32bit + ATOK2012 + やまぶきR 1.8.1 で常用しており、
「うぇ」「うぉ」「うぃ」もこの通り問題なく入力できます。

何が違うんでしょうか?
Posted by 141F at 2012年09月23日 11:56
再度こちらで配布されている配列定義で入力してみたところ、やはり「wへ」「wほ」「wひ」になりました。ATOKのデフォルトの設定でも同じでした。
環境はXP Pro SP3、ATOK 2012、やまぶきR 1.8.1です。

http://www.nakagawa.biz/blog/pc-support/winxp/000203.html
こちらの記事を見て、配列定義を「uxe」「uxo」「uxi」に書き換えて使っています。

OSが原因なのでしょうか。
Posted by 中井悠詞 at 2012年09月23日 12:51
おお、こんな落とし穴もあるんですね!

振り返って自分の環境で、ATOK のローマ字テーブルを変更した記憶は特にありません
が、絶対に触っていないとも言い切れません。

環境依存をできうる限り排除するため、次版からは[UXE][UXO][UXI]に
置き換えたものを配布します。

ご指摘ありがとうございました。
Posted by 141F at 2012年09月23日 16:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック