2007年05月08日

アルペジオを分解してみる。

小梅 1.3.0 版の作成に着手した当初、私はこのように記しました。

小梅 1.3.0 版は「出稼ぎ型」かも。(Weblog 61℃)

いったん下段に降りると、下段の仕事ばかりが続いて右手はホームになかなか帰ってこれない。

跳躍が減らせるので打ちやすいかと思ったんですが、評価打鍵を重ねる中で、この方法は使えないことを思い知らされました。右手が下段に降りる前に、一瞬ですが打鍵動作が止まってしまうのが決定的にダメでした。指がホームポジションに戻りやすいと、高速打鍵しても疲れない 等と言われているのは、どうやら真のようです。

さて、ここで

  • 指がホームポジションに戻りやすい。

というのは、

  • ホーム段以外のアルペジオが少ない。

という仮説を含意するのでしょうか? その真偽を確かめるのが、この記事の主旨です。

アルペジオが左手側と右手側のどちらで、上段とホーム段、下段のどこで数多く発生しているのか、10万字サンプルで分解します。K→M のような段を越えた打鍵でも打ちやすいアルペジオとみなす場合もありますが、この記事では H→]Y→U 等も含めて、同じ手の同じ段で発生したアルペジオ(同段連打)だけを計算対象とします。 同指異鍵や同鍵連打は含みません。 なお、さら配列と翡翠S配列は既に新版が発表されていますが、諸事情により旧版で計算しています。

左手側のアルペジオ


上段 ホーム段 下段
Nicola 2.74% 4.36% 0.26%
Tron 2005-1011 0.98% 2.59% 1.05%
飛鳥 21C-345 0.18% 4.22% 0.30%
飛鳥 21C-290 0.21% 4.29% 0.16%
小梅 1.3.0 beta 16-1 1.18% 2.88% 0.09%
小梅 1.3.0 beta 15 1.27% 2.92% 0.10%
小梅 1.23 1.87% 3.33% 0.10%
さら 20070312 0.83% 4.71% 1.26%
蜂鳥 X-001 0.48% 6.94% 0.13%
翡翠 A003 1.60% 5.52% 0.64%
翡翠 S007 2.11% 6.63% 0.27%

各々の項目で最強調は最大値強調は最小値を示します。

小梅配列で左手下段にほとんど不満がないのは、ここでのアルペジオが最小限に抑えられているから、なのかもしれません。

右手側のアルペジオ


上段 ホーム段 下段
Nicola 1.82% 5.04% 0.05%
Tron 2005-1011 1.03% 4.06% 0.80%
飛鳥 21C-345 1.25% 9.68% 1.45%
飛鳥 21C-290 1.26% 11.22% 1.28%
小梅 1.3.0 beta 16-1 1.56% 4.55% 0.68%
小梅 1.3.0 beta 15 1.56% 4.57% 0.82%
小梅 1.23 1.50% 4.23% 0.54%
さら 20070312 0.38% 5.29% 0.70%
蜂鳥 X-001 0.32% 7.16% 0.92%
翡翠 A003 1.10% 6.65% 0.35%
翡翠 S007 0.54% 5.65% 0.66%

beta16 で「れ」を右手ホーム段に移したことで、小梅配列は beta15 以前と比べて右手側が格段に打ちやすくなりました。しかし、右手下段で最多なのが飛鳥 21C-345 とはどういうことでしょう??? これはもしかして、「句読点打ち切り」パターンを多用する、飛鳥がよく使う例の手なのでしょうか。

右手下段に句読点を置いた配列のアルペジオ


右手下段の
アルペジオ A
句読点で終わる
アルペジオ B
差分 A−B
Tron 2005-1011 0.80% 0.52% 0.28%
飛鳥 21C-345 1.45% 0.44% 1.01%
飛鳥 21C-290 1.28% 0.48% 0.80%
蜂鳥 X-001 0.92% 0.21% 0.71%

飛鳥のこの数値は、「句読点打ち切り」を積極的に生かしたものとは言い難いですね。このことから、

  1. 指がホームポジションに戻りやすい。
  2. ホーム段以外のアルペジオが少ない。

という二者の関係は、「飛鳥配列は(右手下段も)打ちやすい」が真であるならば、(1)と(2)は等価ではない (1)は(2)を含まない ことになります。よって、今回の仮説は却下!

打ちやすさは数値化できるのか、めげずに今後も試行錯誤していきます。

ラベル:親指シフト
posted by 141F at 01:09| Comment(2) | TrackBack(1) | oyayubi | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 連接頻度を見るとややこしくなりそうなので、主観でざっくり拾ってみますと……表3が示す中身は、以下のような感じでしょうか(ハズしていたらすみません)。

TRONかなは「す。」が目立つ。
飛鳥290は「ゃっ/ゅっ/ょっ/が、/や、」が目立つ。
飛鳥345は「ゃっ/ゅっ/ょっ/で、/や、」が目立つ。
蜂鳥X001は狙って目立つ連接はない。

 表3に挙げられた4つの配列は、全て右手下段に“っ”を含んでいるようです……とすると、「句読点で終わるアルペジオ B」のほかに「“っ”で終わるアルペジオC」も減算対象とすることで、より配列の素性が見えやすくなるかも……と感じました。
Posted by かえで(yfi) at 2007年05月08日 12:06
「っ」の線はありそうですね。他にも見直した方がよさそうなところが見付かったので、同じテーマで出直します。しばしお待ちを。
Posted by 141F at 2007年05月09日 23:18
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アルペジオを分解する。(2)
Excerpt: 前回の記事では、仮説を証明することができませんでした。
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